豪華な指輪は男の甲斐性?!

西暦860年になって、時の教皇ニコラス1世が、「男の甲斐性として、未来の妻に高価な指輪を与えるべし」などと、男性の立場からみたら、なんとも余計な勅令を出してくれたおかげで、豪華絢爛な指輪を男性が女性へ贈るはめになったといった説が、現代に残されています。その実、中世のヨーロッパでは、婚約指輪にサファイアやルビーといった宝石がちりばめられていました。いつごろからダイヤが婚約指輪に頻繁に使われるようになったかというと、14世紀後半、神聖ローマ帝国が栄華を誇っていた時代、時の皇帝マキシミリアン大公が、婚約者であるブルゴーニュのマリー姫にプロポーズする際、ダイヤモンドをちりばめた指輪を贈ったのが始まりだったという説が有力です。ダイヤモンドの研磨技術がかなり向上し、貴族から一般人へと広く普及し始めた時代でした。

「永遠の石」

ダイヤモンドは、炭素から出来ており、非常に硬い性質を持っていることはよく知られています。仮に火の中に放り投げても、けっして燃えません。また電気を通しません。こうした性質を利用して、研磨材として、また切削り材として、医療や農業など、広範囲の分野で多く活用されています。また無色透明に近いため、カットの仕方や磨き方によっては、非常に美しい光の反射をする事から、宝石の中の宝石、最高級の宝石として、ちまたでは高価な価格で取引されています。ダイヤは、地の下奥深く、高温高圧な環境で生成されるため、けっして産出量は豊富ではありません。また、あまりに硬いために、削るのにも相当な技術がいりました。そんなことから、宝石としてようやく歴史に名前がでるのは13世紀終わりと、他の宝石類よりも大幅に遅れをとってしまったゆえんです。ダイヤモンドという名称は、古代ギリシャのadamas (征服できない、懐かない)からきているとされています。そして石言葉は、「不屈、永遠、純粋」です。その昔、マキシミリアン大公とマリー姫に、ドイツのロルティンガーという人が、婚約指輪にダイヤモンドを使用するよう薦めた背景には、こういったことがあったのですね。

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